2017年4月6日 更新

世界共通通貨という見果てぬ夢、ビットコインの姿に迫る

2014年、マウントゴックスの経営破たんによってビットコインの信用が低下。多くの日本人にとって、ビットコインは終焉を迎えたと思われたほどでした。しかし、世界の多くの発展途上国や経済破綻を迎えた国によって下支えされ、着々と利用価値を高め、いまやビットコインの技術が新たな金融ソリューションになると世界中で開発が取り組まれているほどです。

貨幣の本質とは

貨幣の本質は物々交換の不便さの解消ですが、貨幣の価値を決めるのは国であり銀行であり取引を行う方々や消費者になるでしょう。貨幣の本質は交換手段として使うことができることであり、将来が不安ならため込むことができるという点にもあります。

物々交換から始まり物品貨幣という扱いになり、そして金属が物に代わって用いられるようになったのは、中国では紀元前8世紀ごろと言われております。農具や刃物をかたどった特殊な貨幣となっているので、今のような丸い貨幣ではありませんが、それほど歴史があり、貨幣という概念は古くからあったということを証明できているのではないでしょうか。
物々交換:Barter

物々交換:Barter

◆物々交換の不便さを貨幣が解消
…お金は、異なったニーズを持つ買い手と売り手との間を仲立ちし、さまざまな交換取引を可能にしました。売り手と買い手が、地理的に遠く離れた場所にいても、お金が両者を結ぶ接点となることで、交換取引が行えます。

また、物々交換には、時間という問題点もありました。やりとりされる品物は、時間がたって古くなると、腐ったり壊れたりして、価値がなくなってしまいます
貨幣はその機能で定義される。…1つ目は交換手段としての機能である。…貨幣の中心的な役割が、交換にあることは疑問の余地がない。
 2つ目は価値の保蔵手段としての機能である。貨幣は将来のために貯めておくことができる。3番目は計算単位である。財の価格は貨幣との交換比率で表される。…
 4番目に繰り延べ支払いの標準という機能があげられる。これは将来に関する契約が貨幣の単位で行われるということである。…

近代経済学では、交換手段こそ貨幣の本質的機能と考えている。…貨幣と非貨幣の間にその中間的な性質を持った物を考える。それを近似貨幣(near money)と呼ぶ。貨幣と非貨幣の間にはきっちりした線が引けない。そのような貨幣から非貨幣のスペクトルが考えられる。それを流動性スペクトルと呼ぶ。
 そうすれば、価値の保蔵手段も貨幣の本質的機能の1つとなる。…「貨幣(狭義)は重要でない。流動性こそ重要」…
貨幣の始まりは価値を図るものという尺度でした。物々交換によって始まった価値の交換という市場経済は、古代の時代より始まり21世紀の今、新しい貨幣として仮想通貨ビットコインを誕生させたのです。

ビットコインが貨幣として世界で初めて取引されたのは、ピザの2ピースと1万ビットコインとの交換でした。この時点で、ビットコインが価値の交換を行い、流動性のある価値を保障する存在としての貨幣の働きを行った記念すべき瞬間です。

貨幣で重要なのは流動性

貨幣に価値を決める要素として重要なのが流動性です。ビットコインも流動性が全くなかった時代はものすごい安い値段で取引されておりましたが、キプロス事変などで使われる量が爆発的に増えていくと貨幣価値が天井知らずに上昇しました。

中央銀行がなく国が管理しているものではないビットコインは、流動性によって非常に価値の上下が激しく動くものとなっているので、本格的に投資で生活している人以外にも、休日だけちょっと投資をして楽しみたいという方にも愛されるものとなっているのです。
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流動性
資産がいつでもいくらでも、適正な価格で換金できること。取引する相手の見つけやすさ。または現金通貨そのもの。

一般に個別性の強い実物資産は流動性が低く、金融資産は流動性が高い。市場規模が大きく、日々の売買量が大きいほど流動性も高い。

ただし、投資家の投げ売りが殺到するなど売買が一方向に極端に偏るとどれほど潤沢にあった流動性も一瞬にして枯渇し、市場機能が麻痺して大暴落となることがある。
価値の交換が容易で、流動性があるものが貨幣ならば、ビットコインが貨幣として現在世界中で取引されている現状は貨幣としての裏付けに他ならないのではないでしょうか。

投機性のある商材としても取引されることのあるビットコイン、ビットコインが作ったのは金融資産としての仮想通貨という新たな世界への扉です。ビットコインが生んだその扉は今、フィンテック技術として金融業界を活性化する起爆剤となるのではないかと期待が増しています。

世界通貨?ビットコイン

世界通貨として一気に有名になったビットコインは国によっては大騒動になるほど大きな存在となってしまい、悪用された時の事態も大きなものとなってしまいました。

その想定の一つとして、テロ組織などの反政府組織が物資を調達するために運用に便利なビットコインのような仮想通貨を使うというものがあるのです。一部の人たちにとって、このような運用をされることを恐れ取り締まるべきという意見が出てしまうのも納得できるものと言えます。

世界通貨として認識されているからこそ、このような世界的なトラブルを解消できる方法を仮想通貨は見つける必要があると言えるでしょう。
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世界で最も成功した仮想通貨「Bitcoin(ビットコイン)」は2015年に相場が持ち直し、「世界共通の仮想通貨」としてのデファクトスタンダードの地位を着々と固めつつあります…2015年12月にRAND Corporationから出された「仮想通貨の国家安全保障への影響」と題された報告書は、テロ組織などの反政府組織が国家転覆などの目的を果たすために、政府機関の干渉を受けることなく物資を調達するべく仮想通貨を利用している実態や、今後、中央政府の管理する通貨システムを麻痺させるためにテロ組織独自の仮想通貨を発行する危険性などについて考察されており、この報告書を契機として、「仮想通貨を取り締まるべき」という強硬論がアメリカで起こっています。このような仮想通貨を政府管理下におくべきという意見が上がる一方で、ビットコインを使った数々のサービスが生まれてており、中でもビットコインを一気に普及させる可能性を秘めると見られているサービス「Open Bazaar」が注目されています。
着々と世界での貨幣認知が進むにつれて起こる、マネーロンダリングや犯罪など悪用されてしまう一方で「自由な通貨としての価値」に重きを置くことができる通貨というのは、世界初の存在だったのかもしれません。

ビットコインへの誤解?

海外への送金がしやすく、投資としても使い勝手が抜群に良いのがビットコインですが日本における評価は著しく低いです。もちろん、投資家の方々やある程度真実を理解している方々はそのような評価をしているわけではありません。

日本における評価が決まってしまった原因はマウントゴックス騒動によるものです。マウントゴックス騒動によって多くの方がビットコインを喪失してしまったので、大損してしまった人たちが日本にもあぶれるようになりました。

この事件によってビットコインそのものが脆弱と感じるようになってしまいましたが、脆弱だったのは取引所であり、そもそもの原因は取引所にあるのです。このイメージを覆すことがなかなかできないので、ビットコインの日本の評価がなかなか上がりません。
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イメージが悪いからですが、隠し財産の保管場所として使うや、海外への悪い送金方法以外に主要の使い道が分からない。
ビットコインは円天みたないものでしょ?そんな誤解が日本中でかつて広まっていたときがありました。
それを強めたのはマウントゴックスによる多額の不正操作でユーザーのビットコインを奪った騒動、ビットコインに大きな汚点を与えました。

では円天とはどんなものだったのでしょうか?
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エル・アンド・ジー社のホームページにおいて公開されていた映像によると、擬似通貨「円天」は電子マネーとして使用可能と公開されていた。10万円以上を預け、あかり会員になると「1年ごとに預けた金額と同額の円天を受け取ることができる」「年利100%の金利が払われる」とされ、受け取った円天は、円天市場で利用することが可能とされていた。

L&Gの波和二会長は、自身のブログ[4] において、円天には強制捜査を受けた円天市場と、もうひとつの元金円天市場という2種類の利用法があると解説していた。後者は日本円、ドル、ユーロ、元、ウォンなど現行の通貨を稼ぐ目的で運用される円天と称していた。だが、波会長は自らが発行した通貨にもかかわらず、インタビュー時以外は全く使用したことがないことを、日本テレビ「真相報道 バンキシャ!」(2007年5月13日放送)にて明らかにしている。

円天の実態は、購入単位が非常に大きかったにもかかわらず、一般的な電子マネーとは比較できないほど対応店舗が少なく、家電量販店等のポイント程度の機能と使用方法しか無かった。偽造通貨にほぼ等しい扱いであった。
ビットコインがこの世に生まれる1年前、円天は電子マネーとして主婦の心を掴んだ存在だったようです。ですが、当時の宣伝文句を読んでみるとマルチ商法のねずみ講、いつ破たんしてもおかしくない構造です。

かたやビットコインは世界共通通貨としてあらゆる国家間、個人間を手数料や銀行を通さない自由に取引ができるとして多くのギークに愛されつづけている仮想通貨。それがマネーロンダリングに使われている、それこそがビットコインの存在を低めているという見方もあり、ビットコインを標準化する動きも。通貨危機や経済が低迷した国々で日常生活レベルまで普及したおかげで、ビットコインの価値や存在の確かさが増していきました。

あらゆる支払いに対応、ビットコイン+α

apple payの自動販売機

apple payの自動販売機

自動販売機からの貨幣の盗難などの心配がない
Squareが、ビットコインとApple Pay(アップルペイ)を受け付けるPOS(販売時点情報管理)ソリューションを製作中と報じられた。ソリューションの提供開始日はまだ発表されていない。

今のところ、実店舗におけるビットコインによる支払受付の導入は「カスタマイズド・ソリューション」に限定されている。Square社のPOSソリューションは既にかなり普及している。そこで、ビットコイン対応版も用意すれば、支払いの選択肢が広がり、仮想通貨による支払いを検討している顧客も取り込むことができるのではないかというわけだ。
apple payとはアップルによる決済サービス
Square社のレジスター・ソリューションはクレジットカードをサポートしていることでよく知られている。もしビットコインにも対応すれば、販売者側では1-3%の手数料削減が見込める。

Square社のジャック・ドーシーCEOはCBCに対し、「我々は今、クレジットカードや現金、小切手のみならず、ビットコインや、現在急速に普及しつつあるアップルペイからまだ見ぬ未来のものまで、ありとあらゆる支払い方法が受付可能になるようなレジを開発している」とコメント。
今や世界中の3,800万点以上の加盟店でビットコインでの支払いを可能にしています。

チャンスは世界中に

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ビットコインでボーダーレスなP2P貸付を行うプラットフォーム、BTCJamなんかを見てると、結構面白いストーリーが出てきます。例えば、インドネシアなんかでは普通の庶民が銀行から借り入れなんかできないわけですよ。普通の個人が開業資金を借りようと思ったら、金持ちの遠い親戚を見つけ出してくるか、町の高利貸しから借りるしかないのです。P2Pのレンディングのプラットフォームを使えば国を越えて個人で低利の借り入れが可能になります。

これを使って、プロパンガスのディーラーを始めて、どんどん事業を大きくしている人なんかが実際に出てきています。
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P2Pレンディングは、貸し手と借り手をオンラインで直に結びつけることで、中抜きによる不利な融資を是正しようとする動きのひとつだ。…

…ラドスラフ・アルブレヒト氏、ベルリン発のビットコイン専門P2Pレンディング「Bitbond」の創業者は、BRICsのような国々において、ビットコインによる融資が重要な役割を果たす可能性があると話す。

Bitbondの主要なユーザー層は、ブラジルやインド、フィリピンなどの中小企業だ。ビットコインの貸し手の多くはアメリカやヨーロッパの人々だが、借り手はポルトガルからブラジル、フィリピンと世界を跨いで存在する。

世界規模でP2Pレンディングが行われるためリスクは高く、借り手の金利は平均的な「Bランク」の信用を与えられた人々で20~23%と高めの設定だ。また、貸し手の利回りは6~8%ほどが平均的とのこと。ビットコインによるP2Pレンディングの殆どは米ドル建てで行われており、貸し手、借り手ともにビットコインの価格変動に悩まされることもない。

また、興味深いことにBitbondのユーザーの殆どは…「ビットコインユーザー」ではない。クレジットカードを所有していなくても、DELLやTigerDirect、Overstockなどでビットコイン決済を利用して商品を仕入れることができるため、一種の送金ソリューションとして捉えているようだ。

貨幣の新世紀へ

P2Pレンディング以外にも、ヤフオクのようなOpen Bazzar(ビットコインによるeマート)は出品料や手数料を無料にし、需要と供給の新たな世界への可能性の展開も期待できます。SNSが大きなビジネスチャンスとなっている今、SNSのように世界中の人と交流することを可能にしたビットコインには新しい貨幣として世界共通通貨と言っても過言ではないのかもしれません。
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